大江健三郎さんが亡くなりました&「モモ」ミヒャエル・エンデ
小説家で 日本人として2人目のノーベル文学賞を受賞した、大江健三郎さんが、今月3日、老衰のため亡くなりました。
88歳でした。
大江健三郎さん
大江さんは、東京大学在学中に発表した作品「奇妙な仕事」で注目を集め、1958年には「飼育」で芥川賞を受賞しました。
そのあとも数々の文学賞を受賞。
そして1994年、川端康成に続いて、日本人としては2人目となるノーベル文学賞を受賞しました。
ドイツの児童文学者ミヒャエル・エンデさんが亡くなった時 大江さんは『モモ』の次の言葉を思い出したそうです。
「光をみるためには目があり、音を聞くためには耳があるのとおなじに、人間は時間を感じとるために心というものがある」
『モモ』は、
人間から時間を取り上げてしまう時間泥棒達と戦い、時間を取り戻す。
という有名なお話です。
各国で翻訳されていますが、日本では特に人気があり、発行部数はドイツに次いで多いそうです。
これを読むと「時間の大切さ」が身に染みてわかります。
そして、自分が社会の中で どれだけ時間に急き立てられて生きているかということに気づきます。
便利な家電を使って空いた時間をゆったり過ごすかと思えば、さらに仕事を入れて過ごしてしまう。
そんな自分を反省してしまいます。
忙しい、の「忙」という字は 心を亡くすという字で組み合わされています。
忙しくなると心に余裕がなくなって、家族や同僚、友人などに心を寄せられず、ひどい物言いをしてしまったりします。
『モモ』を読むと様々なことを考えさせられます。
大江さんは、文学者の立場から核兵器や平和の問題に向き合ってきたことでも知られています。
広島で取材した被爆者や医師の姿を描いた「ヒロシマ・ノート」は、ベストセラーになりました。
さらに大江さんの文学に大きな影響を与えたのが、生まれつき障害がある長男の光さんでした。
光さんが生まれた翌年に発表した小説「個人的な体験」では、障害児の父親としての心の葛藤を描き、その後も、障害をモチーフにした作品を書いてきました。
最後に
様々なことに心を寄せてきた、魅力的なかただったんですね。
改めて、作品を読んでみたいと思いました。
(*^_^*)ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます。
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